PKを待ちながら

2014年公開のインド映画『PK』のネタバレです。『きっと、うまくいく』のランチョーを演じ、『チェイス!』のサーヒルを演じた「国宝級」俳優、アーミル・カーンの主演作です。鑑賞済みの方、ネタバレOKの方はどうぞ。未見の方は10月29日全国公開をお待ちください!

各国の『PK』

『PK』上海プレミア上映顛末記

アーミル・カーン主演映画『PK』の中国公開(2015年5月22日)を目前にして、上海と北京でプレミア上映が行われました。「中国ファン」向けのイベントにのこのこ出かけるのもどうかと思いましたが、我慢ができない質な上、同僚に理解をもらって休暇が取れたので、上海の方へ行って参りました。せっかくなので事の顛末を記録しておきたいと思います。

上海会場を選んだのは、北京は情報がなかなか確定しなかったのと、個人的に北京トラウマが克服できなかったのが理由です。両方とも行こうかとも思いましたが、段取りが悪いと残念な結果になりかねないので、確実に行けることを最重要視して、一か所だけに。北京は予定が出るのが遅く、最悪、プレミア上映自体のキャンセルの可能性もあると勝手に想像していました。なんたってインド&中国のイベントですから、用心に越したことはありません。

『PK』がインドで公開されたのは2014年12月19日、その後、1月末には「中国全土で3000館規模で公開、もしかしたら公開時にアーミルが中国へ行くかも」という情報が漠然とは出ていました。
が、昨年7月のDhoom3の中国公開時に、アーミルが「ぜひ中国に行きたいと思う」(リップサービス)というメッセージを出しながらも実現しなかったので(リップサービスだから)、今回も中国ファンはアーミル訪中をギリギリまで信じていない様子でした。
今回の訪中は、どうやら『PK』のプロモーション、そしてモーディー首相の訪中に象徴される印中友好及び経済的協力推進の一環としての印中合弁映画のプロモーションとしても位置づけられていたようです。最終的には概ね以下のようなスケジュールとなりました。この他にも細かい取材など入っていたかもしれません。

5月11日
北京到着
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5月12日

記者会見(PKプロモーション)


たぶんこの日、中国中央電視台(CCTV)のDialogueという番組の取材。14日放送。こちらでどうぞ。


深夜、上海へ移動

5月13日

上海電視台のTV番組に出演(公開収録。30日放送)


PK上映、舞台挨拶
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北京へ移動

5月14日
ジャッキー・チェンと合同記者会見(印中合弁映画のプロモーション)
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PK上映、舞台挨拶
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5月15日~16日
プライベートで紫禁城、万里の長城を訪れたようです。詳細は不明。
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同行者は、ラージクマール・ヒラーニー監督と、プロデューサーのヴィドゥ・ヴィノード・チョープラー氏。ご家族の同行はなかったようです。今思えば…昨年の来日時は『PK』のプロモーション真っ盛りの時期だったのに、けっこうな期間、日本に滞在したものですね…。


北京と上海でのプレミア上映については、首相の訪中とあわせて、4月末にまずインドから情報発信され、やや時を置いて5月初旬から中国のSNSである百度贴吧(2chや発言小町みたいなツール)で情報拡散、参加者募集が始まりました。なぜか主催者でもファンクラブでもなく、どういう立ち位置なのかさっぱり不明な個人が、時間も場所も内容も費用も不明、決まっているのは「予定時期」だけ、というざっくりした情報だけで募集を始めたので阿鼻叫喚…に見えましたが、中国的には通常営業だったのかもしれません。
希望者はここに書き込め、友達登録をしろ、ダイレクトメッセージを送れ、QQ(LINEのようなツール)のグループに加入申請しろ、とRPGかインド旅行かというくらいに次々と指定されるイベントをクリアしたところで、参加者認定されました。50名ほどがこの「ファン枠」で参加したのですが、蓋を開けてみれば、席は後ろのほうだし、通常にオンライン予約した人と「インド人枠」の人達が前列を占めていたし、「ファン枠」の存在意義は謎でした…。
ただ、私にとっては「中国のサイトでオンライン予約」はハードルが高かったので、仕方のないところです。実際、オンライン予約もすぐに売り切れたようでした。

QQでのやり取りを見ていると、「見面会」と銘打っていたこともあり、どうも中国ファンは韓流スターのような「ファンミーティング」を期待していたようなのですが、そんなわけねぇ…。実際、来日時と同じで「舞台挨拶」でした。一人一人がサインもらってハグして一緒に写真撮ってプレゼント渡せる、と思い込んでいた人はがっかりしていましたが…。なぜそう思った…。
ただ、中国側もそのあたりは制御不能だと思ったのか、「プレゼント可。事前に写真を送れ。監督とプロデューサーのぶんも合わせて3個用意しろ。場合によっては却下。ファン代表がまとめて登壇して渡す」ということになりました。いろいろ謎…。
「ファン枠」の取りまとめをした管理人は、結局、「上海電視台の担当者の友人」のような人だったようです。プレミア上映の3日後に結婚式を控えながら尽力した彼女が「ファン代表」となりました。

11日、アーミルが北京空港に到着したところで、お迎えに成功したファンが写真を百度贴吧にupしたため、俄然、上海組も色めき立ちました。
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北京組は、到着情報をもらったわけではなく、入り待ち(出待ち?)をしていたそうです。上海組は、関係者から12日23:15着のフライト、虹橋第2ターミナル、という情報をもらって10人ほどが花束を持って待機しました。預け荷物ナシのファーストクラス通路を中心に、分散して見張っていましたが、アーミルの姿はなく、最終フライトの到着24:30も過ぎてしまいました…。管理人さんが関係者に連絡したところ、予定の便で到着して、VIP通路から出たということが判明。駐車場で張り込めばよかったのか。北京空港の到着の様子がフツーの出口のようだったので、すっかりみんな油断していたのです…。

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「早く教えてくれればいいのに! みんな待ってたのに! 担当者にホテルくらい教えてもらいなさいよ! こっちは日本から来たファンもいるんだから!」とせっつかれた管理人さんが、関係者に連絡していましたが、さすがにホテルは教えてもらえず、「アーミルも残念だって言ってるし、日本から来てるのも知ってるから(!)、もうお家に帰りな〜」(この時午前1時)ということでした…。

まぁ、正直、そんなものだろうとは思っていたんですが、北京め…!! 北京のせいで期待してしまったんだよ…!!

さて、13日、上海のプレミア上映当日。「料金は20元(400円くらい)、劇場併設のスタバで受付」という謎のラストイベントをクリアしてチケット入手。「上海ファン名簿」と「インド人名簿」があり、インド人は別ルートで申し込みしていたことがここでわかりました。
この日、16時半上映開始で、ほぼ同時刻の15時から上海電視台でアーミル出演番組の収録が行われていました。TV局へ観覧に行って、終わったら17時くらいから映画館に入場、というのも一応可能だったのですが、不測の事態で残念な目にあいたくないし映画もちゃんと観たいので、TVは諦めることにしました。ただ、そうした人がかなりいたみたいで、上映中に出入りする人が大量に出現していました…。

会場は、上海影城。
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映画祭や舞台挨拶によく使われる場所のようで、ものすごく立派。700席程の大ホール、大画面で観ることができました。座席は真ん中あたりで、鑑賞には最適でしたが、アーミルには遠かった…。

私、実は映画の音響や画質に全くこだわりがないし、『PK』自体、さほど音響が重要な映画だと思ってなかったんですが、間違ってた。『PK』、大劇場で観ると更に素晴らしい。DVDでも、クアラルンプールや台湾の映画館でも聞こえてこなかった繊細な音がクリアに聞こえてほんと幸せでした。吹き替えだけどね! なお、「PK中国版」そのものについては、別途、つらつら述べたいと思います。

さて、お国柄なのか、なんなのか、「一般人の写真撮影」が一切禁止されません。私が中国語アナウンスを聞き落としたということもありません。劇場内にメッセージ表示できる電光掲示版もありましたが、そこに注意表示が出たりもしません。フリーダムです。なんせ中国ですから。観客は、中国人9: インド人1、中国人は、ほぼ全員20代の若者、意外と男子も多くて3割くらいいたと思います。

開場も上映もとにかくグダグダで終始人が出入りしてるし、スマホで撮影してる人もいるし、カオスです。映画が終わって、エンドロールあたりから、拍手、歓声とだんだん会場が盛り上がって来ると、みんなスマホ片手に立ち上がって会場前方へ押し寄せます。ライブ会場のようです。
女性司会者が登壇し、中国人関係者、アーミル、プロデューサー、監督、ボディガード2人も登壇。歓声が響きます。写真撮り放題です。
アーミルが簡単に挨拶、監督も一言二言喋ったところで、「それでは質問のある方挙手をどうぞ〜!」(事前に募集した質問はどうしたよ)。(アーミルのQ&Aも別途まとめたいと思います)
いくつか会場からの質問に答えたところでファン代表の男女二人登壇。プレゼント、サイン、メディアの撮影、とひとしきり行われます。
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で、そんなところでなんとなく終了。皆さん、退場。で、なんとなく解散。そんなものだと思ってはいましたが、あっけなかった。

「上海空港待ちぼうけ組に何か特別待遇は??」という人たちもいましたが、まあ、あるわけないので。
アーミルの瞳の輝きを近くで見られなかったのはホントに残念…。そしてこれが今生の別れになるかと思うとつらい…。

以上、『PK』上海プレミア上映参加の顛末です。中国情報をかき集めるにあたっては、野良アプリを入れねばならないので、普段使っているのとは別にスマホとSIMカードを用意しました。情報抜かれるのが目に見えているので。使用したアプリは、百度贴吧(2chみたいなの)、QQ(LINEみたいなの)、微博(ツイッターみたいなの)、ブラウザはUCブラウザ、検索は百度一下、翻訳は有道翻訳官、アプリダウンロードは360手机助手、中国語入力は捜狗輸入法、というところです。

台湾の『PK』

台湾、映画先進国なんでしょうか? ハリウッド映画も日本より早く大規模で公開されていましたし、『PK』も中国本土よりも早く、3月20日に公開されましたので観に行ってまいりました。
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「3 idiotsのアーミル・カーン」というのは、台湾でも浸透しているようで、客入りも悪くありませんでした。(「Dhoom3のアーミル・カーン」ではないんですね・・・。)マレーシアとは事情が違って、客席にインド人はまったく見かけませんでした。
字幕は英語と台湾語(繁体字の中国語)の二重字幕。英語字幕は、マレーシア版、DVDと同じ。台湾語のほうは、後の中国版は吹き替えだったのもありますが、中国版とはまったく別物だったようです。
ところで、『PK』の台湾タイトルは、もろネタバレです。『來自星星的傻瓜PK』=星から来たおバカPK、なんですが、いきなりPKが宇宙人だってばらしてます。これは、アジア各地で大人気だった韓流ドラマ『來自星星的你』=星から来たあなた、と3idiotsの台湾タイトル『三個傻瓜』(3人のおバカ)のコンボのようです。わかりやすくていいといえば、そうなんですが。この先、もし日本公開されるとしても、『星から来た酔っぱらい』とか、『きっと、星に帰る!』みたいな馬鹿タイトルにならないことを切に願います。 

マレーシアの『PK』

マレーシアにはタミル系のインド人が多く暮らしていているため、主だったヒンディー映画、タミル映画はインド公開と同時に上映されています。エアアジアで安く行けるし、字幕付きで観られるし、これはイイ! ということでクアラルンプールで『PK』を鑑賞してまいりました。字幕は英語とマレーシア語の二重字幕。記憶の範囲では、DVDの字幕とまったく同じだったと思います。
インド映画、字幕無しでも念力とか多少勉強したヒンディー語で1〜2割は理解できますが、特にPKのような会話や感情が交錯して進行する物語の場合は、字幕とか吹き替えの助けがほしいところです。
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というわけでホクホクと映画館で『PK』を堪能したのですが(7回行きました・・・)、DVDを購入して発覚した事実。マレーシア版、何か所もカットされている!

基準は明確です。エロ、グロ、(おそらく)反イスラーム。カットされていたのは、6か所でした。
■冒頭のPKの全裸後ろ姿
■ジャッグーとサルファラーズのキスシーン
■PKが「印」を探して赤ちゃんの股間をチェックするシーン
■モスクの集団礼拝のPKのアップ
■刃物で背中を傷つける修行
■回想のキスシーン
モスクの集団礼拝のシーンがなぜカットされたのか、ちょっと謎なのですが、スィックのペンダントをつけてるとかそういうことが問題だったんでしょうか?
「チェイス!」のMalangカットのおかげで、カットにはナーバスになってしまっております。2か所ほどは映画館で観ている最中から「なんかブチッて聞こえた!」とは思っていたのですが・・・。
ああ、残念。公開同時に、映画館で、字幕付きで、比較的安くて近い場所で観られるうまい方法だと思ったのですが。シンガポールへ行けばいいのかな・・・。

タイの『PK』

PKのタイ語のトレーラー。3月12日公開だったようです。
 
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アーミル・カーン(『きっと、うまくいく』のランチョー、『チェイス!』のサーヒル)のファンです。 アーミル主演、2014年12月インド公開の映画『PK』は日本未公開ですが、ネタバレをブログに書いています。 アーミルとPKに興味のない方は、積極的にブロック、RTブロック、ミュートなどしてくださいね!
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