過去記事を再編してお届けします。

Automatic Battery Recharge(元気チャージ体操)に続くこの楽曲では、PKがジャッグーにほんのりと恋をしていく様子が描かれています。「Love is a waste of time」というフレーズの前フリとして、実はジャッグーが「恋愛とはどんな感情か」をPKに説明するシーンがあったのですが、 残念ながらカットされていて、コレクターズ・エディションDVD(インド版)の特典映像として収録されています。「I love you... I miss you... I love you... I miss you... 恋人同士はそんなふうに話をするのよ」「そんなの時間のムダづかいじゃないか!」という会話が二人の間で交わされています。
『PK』の終盤、ジャッグーの朗読会の最後の台詞は「I miss him」で締めくくられます。ジャッグーの「I love you」はサルファラーズのものだけれど、「I miss you」はPKに捧げられたのでした。

ところでこの楽曲、ちょっとした秘話があります。こちらの47分にわたるヒラーニー監督のインタビューは2014年11月、『PK』公開前のものですが、15:10あたりから監督自身が語っています。


「Love is a waste of time」というフレーズ、アイディア自体は打ち合わせを重ねるなかで出てきたものですが、楽曲として仕上げるにあたって、作詞家Amitabh Battachariyaに依頼しようと考えたそうです。Dhoom3、2States、Chennai Express、Go Goa Gone(!)などのそうそうたる作品に作詞家として名を連ねている著名な作詞家兼プレイバックシンガーです。さっそく携帯を取り出して「作詞家Amitabh」に電話をかけ、話し始めた監督。楽曲のおおまかなアイディアや打ち合わせの日程を決めたところで、監督、気づいた。「電話の相手、Amitabh Battachariyaやない・・・! Amitabh Varmaや・・・!」しかし、そこまで話をしてしまったので今さら言い出せず、Amitabh Battachariyaも忙しい人なので、ひとまずVarmaに作詞をして持ってきてもらいました。すると、それがたいへん良い仕上がりだったため、そのままVarmaの作詞が採用されることになったということです。そしてなんと、この「間違い電話」の事実はこのインタビューで語るまで、誰にも明かしていなかったんだとか。「間違い電話」が素敵な奇跡を起こしたようです。

なお、このインタビュー、一般人から監督への質問を事前に募集していたのですが、30:50あたりで最初の質問として、「日本に『PK』がやって来る可能性は?」という質問が採用されています(ちなみにこの質問をリクエストしたのは私でございます・・・!)。監督の回答は、「ちょうど2日前に日本の配給会社の人と会って話したから、時期はわからないけど、日本でも公開されるはずだよー」ということでした。なんと、2年越しでの日本公開実現です!

そんなわけで、Love is a Waste of Timeのミュージックビデオ。


歌詞の内容は、「胸のあたりが おかしな感じ。やっとわかった、恋は時間のムダづかい。それでも一生に 一度くらいは時間のムダづかいをしてみようかな」というものです。物語の後半においては、とても重要なフレーズともなります。