アーミルは1965年3月14日生まれ、ただいま50歳。ここ数年の出演映画で演じた役柄は、学生だったりマッチョだったり、ボディと演技の極度なつくり込みに驚かされるものばかりです。そこで、近年アーミルが演じてきた役柄について考えてみます。

2005年、40歳以降に公開された出演作と役柄は以下の通り。(公開年なので、撮影時にはもう少し若いことになります)

2005年 40歳 Mangal Pandey フリーダム・ファイター
2006年 41歳 Rang De Basanti 学生、フリーダム・ファイター
2006年 41歳 Fanaa テロリスト
2007年 42歳 Taare Zameen Par 先生
2008年 43歳 Ghajini セレブ、復讐鬼
2009年 44歳 3 Idiots 学生、科学者
2010年 45歳 Dhobi Ghat 画家
2012年 47歳 Talaash 警察官
2013年 48歳 Dhoom:3 サーカス団長、天才金庫破り
2014年 49歳 PK 宇宙人
2016年 51歳 Dangal レスラー(予定)

こうして見ると、LOVE、コメディ、アクション、社会問題を盛り込みつつ、「好奇心を持ち、可能性を信じ、信念を貫き、何かに挑む」役柄が多いように思います。…あ。たった今、『きっと、うまくいく』という邦題が好きになりました。このフレーズ、「挑む人」の精神をうまく表現していますね。「、」が入ることで、本当にうまくいくのかわからない不安な気持ちと、それでも自分の可能性を必死で信じる意志のせめぎ合いが醸し出されています。
もちろん、映画はアートであり、娯楽であり、ビジネスであり、多くの人々が関わるものですから、アーミルの意向が全てではないはずですが、「挑む人」の役を好んで受けている印象を受けます。「挑む人」の物語を組み立てると、結果的にどうしても学生だったり、年齢不詳な若々しい人物だったり、ということになるのかもしれません。

3 Idiotsで学生を演じることになったときのエピソードは、しばしば語られています。さすがに40代で大学生、しかも新入生を演じるのはキビシイ。自分の親戚の男の子の動作や表情を観察して、演技の参考にしたそうです。観察するうちに気づいた若者の特徴の一つは、「ムダな動きが多い=落ち着きがない」ということ。この話を聞いて、改めて3Idiotsを観てみると、確かにランチョーは、ときどき意味不明な動作をしています。そしてそれがやんちゃな男子っぽくてなんともキュート。
私がいちばん好きな仕草は、上映時間1時間10分あたり、コンノートプレイスでのピアと婚約者の腕時計のエピソードの最後の部分。「ラージューのパパが倒れた」という連絡が携帯電話に入り、ランチョーは右手に携帯電話を持ち、通話をしながら左手でショルダーバッグのストラップをしゅしゅっと上下にさすります。…この仕草、なーんにも、意味がありません。ただ、かわいいだけ。また、若々しさの秘訣として、毎日お水を3リットルだか5リットルだか飲んでいたらしいのですが…。本当か。『きっと、うまくいく』は、近日、マサラ上映がありますので、皆さん、久しぶりに行っときましょう〜。ストラップのシーンで一緒に「しゅしゅっ」とやるのだ!(地味マサラ。)シネマート六本木、6月13日(土)です。
http://www.cinemart.co.jp/theater/roppongi/index.html

そして最新作PKを演じるにあたっては、末っ子のアーザードちゃん(2歳くらい)を参考にしたそうです。生まれて初めて目にするものや口にするものに対する反応が、地球で初めて接する物ごとにおっかなびっくり反応するPKの姿に移送されました。目をかっ開いて、身体を硬直させ、それでも好奇心ゆえ、離れられない…。パーンやにんじんなど、気に入ったものを延々と食べるところもかわいい。ああ、PKに「にんじん、もいっこちょうだい」と言われたい。aur ek gajar de doだね! 
そんなPKも、母星に帰ればエリート宇宙飛行士のはずなんだけどね…!