アーミル演じるPKは、ボージプリー語を喋っているのですが、「訛ったヒンディー語」という感じなので、ヒンディー語のわかる人であれば、だいたい理解できるようです。ただ、時々、ボージプリー独特の単語も使っていて、ダメな状態を表現するのに、「ルール(lool、लूल)」という単語が頻繁に出てきます。ボージプリー語のコピー元、プルジャリアも使っていたので、彼女の口ぐせなのかもしれません。
マレーシアの映画館やDVDので英語字幕では、この「ルール」は、おおむね「kaput」と訳されていました。私、勉強不足で、この英単語に初めて出会ったのですが、「故障した」とか「ダメになった」という意味だそうです。なお、パンジャービー語でも、同様にこの「ルール」という言葉を使うそうです。
『PK』のいちばん最後は、カメオ出演のランビール・カプールの台詞で締めくくられます。彼もPKから言葉を習ったらしく、ボージプリー語を喋るのですが、その最後の台詞は、「ルール!サーラー!(लूल ! साला!)」です。「サーラー」は、ヒンディー語でたいへんお行儀の悪い言葉で、「shit! fuck!」「クソ!チクショー!」といった意味になります。終盤、涙なしに観られない展開になりますが、最後はこの台詞のおかげで、フフッと笑える仕上がりになっています。
さて、映画のなかで、PKは何回「ルール!」を使っているかな…。